椎間板ヘルニアQ&A
Q.1 |
椎間板ヘルニアになる人は、男女どちらが多いですか?また、年齢によって発生の差はありますか? |
A.1 |
男女比は約2~3:1で男性のほうが多くなっています。
また、年齢では20~40歳代の方が比較的多いです。 |
Q.2 |
職業によって、発症に違いはありますか? |
A.2 |
腰椎椎間板ヘルニアの発生を職業別に検討した調査では、重労働者のほうが事務系ビジネスマンに比べて発生率が高く、特に男性の職業ドライ
バーや、金属・機械業労働者の方は、事務系ビジネスマンに比べて約3倍リスクが高いことが分かっています。
女性においては、主婦はそのリスクが最も低いことが報告されています。 |
Q.3 |
椎間板ヘルニアは、自然に退縮する場合も多いと聞きますが、どのような場合なら、自然退縮するのでしょうか? |
A.3 |
急性坐骨神経痛の患者さんに対して保存的治療を行い,CTで1~15カ月間ヘル
ニア塊の大きさについて検討した報告では,大きいヘルニア塊はどサイズの減
少を認めたとしています。
またヘルニアのタイプ別の検討では,遊離脱出したヘルニアは吸収されやすく,
膨隆型では吸収されにくいとの報告もあります。
造影MRIの検討では.リング状に造影されるヘルニアほど吸収されやすいと
報告されており、サイズの大きいヘルニアやMRIでリング状に造影されるヘル
ニアは,自然退縮する可能性が高いといえます。 |
Q.4 |
椎間板ヘルニアは、自然に退縮する場合、どのようなタイプなら、自然退縮する確率が高いのでしょうか?また、その割合や期間はどのくらいでしょうか? |
A.4 |
脱出型ヘルニアの多くは自然退縮が期待できますが、膨隆型では自然退縮する可能性は比較的少ないといえます。ただし、その割合について正確に述べたエビデンスレベルの高い報告はありません。
自然退縮するまでの割合は、明確になったデータはなく、期間については、2~3ヶ月で顕著に退縮するヘルニアも少なくありません。 |
Q.5 |
腰椎椎間板ヘルニアの発症に遺伝的背景はありますか? |
A.5 |
腰椎椎間板ヘルニアで手術を行った38例の一親等以内の親族(椎間板群)と、上肢疾患と診断され腰椎椎間板性痩痛の既往のない50例の一親等以内の親族にアンケート調査を行った報告があります。これによりますと、椎間板群の28%、上肢群の2%が腰椎椎間板性痺痛の定義にあてはまっていたなどの理由により,腰椎椎間板性の痺痛や損傷は家族性に起こりやすいと考えられます。 |
Q.6 |
単純X線写真は腰椎椎間板ヘルニアの診断に必要でしょうか? |
A.6 |
単純X線写真は腰椎椎間板ヘルニアの抽出は不可能です。しかし、腫瘍などの骨破壊性病変や脊柱変形でも神経根痛を主訴とすることがありますので、他の疾患を除外するためにも撮影しておくことが望ましいと言えます。 |
Q.7 |
腰椎椎間板ヘルニアには、牽引療法は有効でしょうか? |
A.7 |
腰痛疾患に対して腰椎牽引療法が広く行われていますが、腰痛を生じる疾患である腰椎椎間板ヘルニアにおいても行われています。しかし,この牽引療法を単独で行うことがヘルニアによる腰痛や下肢症状の改善に有効であるかについては明らかではありません。ついては、保存的治療の一環としての牽引療法選択の是非を検討する必要があるでしょう。 |
Q.8 |
腰椎椎間板ヘルニアにおける馬尾障害では緊急手術が必要でしょうか? |
A.8 |
腰椎椎間板ヘルニアに伴う重症の馬尾症候群では,可及的すみやかに手術を行うことが望まれます。 |
Q.7 |
腰椎椎間板ヘルニアには、牽引療法は有効でしょうか? |
A.7 |
腰痛疾患に対して腰椎牽引療法が広く行われていますが、腰痛を生じる疾患である腰椎椎間板ヘルニアにおいても行われています。しかし,この牽引療法を単独で行うことがヘルニアによる腰痛や下肢症状の改善に有効であるかについては明らかではありません。ついては、保存的治療の一環としての牽引療法選択の是非を検討する必要があるでしょう。 |
Q.8 |
腰椎椎間板ヘルニアにおける馬尾障害では緊急手術が必要でしょうか? |
A.8 |
腰椎椎間板ヘルニアに伴う重症の馬尾症候群では,可及的すみやかに手術を行うことが望まれます。 |
Q.9 |
若い人にとって、腰椎椎間板ヘルニアに対して手術しても大丈夫でしょうか? |
A.9 |
椎間板切除術の長期成績は良好であり,保存的治療に抵抗する症例ではヘルニア摘出術も選択してよいと考えられます。ある論文では、17歳以下のヘルニア摘出術に関する平均10.5年の経過観察報告において、椎間板高の狭窄が明らかでないこと、MRI上の信号強度変化が多椎間でみられたが臨床症状とは相関せず、術後の長期経過は良好であったため、診断が確実で、ある程度の期間の保存的治療で無効な場合には、手術的治療を選択してよいと結論付けています。 |
Q.10 |
腰椎椎間板ヘルニア患者のなかで、どの程度の患者さんが手術にいたりますか? |
A.10 |
明確には分かっていません。
1985年に施行されたエビデンスの低い研究ではありますが、徹底的に保存的治療を施行した58例中6例(10%)は耐えがたい痺痛の持続により手術を選択せざるを得なかったとする報告があります。 |
Q.11 |
保存的治療と手術的治療を比較すると、どちらの経過が良好などの差があるのでしょうか? |
A.11 |
保存的治療と手術的治療を比較すると、臨床症状に関しては手術的治療のほうが長期的にも良好な成績を示しますが、長期的にみると差が認められません。 |
Q.12 |
再手術率と再発生率はどのくらいでしょうか? |
A.12 |
ヘルニア摘出術後の再手術率は、5年後で4~15%です。
同一椎間での再手術例を再発ヘルニアとすると、再発率は、術後1年で約1%、術後5年で約5%です。 |
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